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大人になってからピアノを再開して3年が経った話

【はじめに】

過去の記事にも書いた通り、私は2017年2月にピアノを再開した。最初は独学でやっていたが、2017年の冬からは月に1〜2回レッスンを受ける形でピアノを続けている。

catta05.hatenablog.jp

ピアノを再開するか悩んでいる/再開した人にとって、ブランクがある状態でピアノを再開し、どのレベルまで伸びるかは気になる所だと思う。勿論元々の能力や練習頻度、先生についているかどうかで伸び具合は大きく変わる。そのため、あくまで一例として、かつ自分の備忘録として、この3年間の振り返りをまとめておく。

【ピアノを再開してからの約1年間(2017年2月〜2018年3月頃)】

ブランクがある状態で何かを再開した人が最初にぶち当たる壁が「思うように身体が動かない」である。ピアノも例に漏れず、再開したての頃は全然指が動かない事が多い。そのため、最初の半年間は、曲を弾く事ではなく基礎練に専念する事にした。実際に使ったのは下記の2冊である(当時の先生から進められたもの)。

 ・ハノン:王道中の王道

標準版ピアノ楽譜 ハノンピアノ教本 New Edition 解説付
 

・おとなのエチュード:1〜2ページで様々なエチュードがまとまっている 

上記の基礎練習と並行する形で、軽めの曲も練習した(確かドビュッシーの「《子供の領分》3.人形のセレナーデ」だったと思う)。

【ピアノを再開して1〜2年経った時期(2018年4月〜2019年4月頃)】

徐々に指が動くようになってきた事もあり、前から弾きたかった曲を中心に練習するようになった。具体的には下記の曲を弾いた。

・福島道子:風の精

ラフマニノフ:「前奏曲 嬰ハ短調」作品3-2(鐘)

ラヴェル:「クープランの墓」プレリュード

【ピアノを再開して2年〜現在(2019年5月以降)】

あくまで主観なのだが、毎日30分以上ピアノを弾いていれば、大体の人は約2年程度で元の感覚・技術を取り戻せると思う。しかし個人的にはこの時期からが辛かった。

ピアノを練習する中で、「自分が楽譜を読めていない」という事実にようやく気が付いたのである。レッスンを受け続けるうちに、レッスンの方向性が"勉強"に向きはじめ、バッハのシンフォニアベートーヴェンソナタなどに取り組む事になった。

これまでは聴いた事がある曲を弾いていたため、音価等を理解していなくても"なんとなく"でそれらしき形になっていた。しかし、今まで一度も聴いた事がない曲にゼロから取り組む中で、自分の読譜力の低さに向き合う事になった。

読譜力」というスキルは一概に定義できるものではないが、あえていうならば「作曲者の意図を正確に理解して楽譜を読む能力」であろう。 どうすれば読譜力が付くかは未だ模索中だが、今の所下記2冊が大いに役立っている。特に金子一朗さんの著書はアマチュアが陥りがちな練習・演奏法について具体的に言及しているため、定期的に読み返すようにしている。

挑戦するピアニスト 独学の流儀

挑戦するピアニスト 独学の流儀

  • 作者:金子 一朗
  • 発売日: 2009/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

以上、まとまりがなくなってしまったが数年ぶりにピアノを再開してみての感想である。道のりは果てしないが、定期的に振り返りを行いたいと思った。