What drives me.

between anthropology, primatology and management of technology

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

書評: 技術経営論

「技術経営(Management of Technology)」を大学院での専門にしたいと思い続けていた一方、自分の中で「技術経営」という言葉の定義が非常に曖昧だったので、丹羽清の「技術経営論」を読みながら自分が何をしたいのかを再考する事にした。本書における技術…

書評: インドで考えたこと & 人間が激務で失うもの

昔から「(読むだけの)読書」を趣味としてきたが、娯楽/暇潰しとして小説・科学書を読むか、実利を求めて経営書を読むかのどちらかで、新書を読む機会はあまり多くなかった事に気が付いた。高校生ぶりに腰を据えて本を読む時間ができたため、言われなくても…

書評: 暗幕のゲルニカ

今日の記事は原田マハ「暗幕のゲルニカ」を紹介。Kindle版がなかなか出ないため、家族に頼んで空輸してもらった一冊。著者の原田氏は、かつて美術館に勤めており、2002年以降はフリーのキュレーターとしても活躍している事から、小説内に出てくる美術関連の…

書評: しあわせの理由

「ゼンデギ」に次ぐ2冊目のイーガン作品として「しあわせの理由」を読んだ。SF界では(特に表題作の)評判が高いが、個人的にはケン・リュウの「紙の動物園」や山本弘の「アイの物語」など、もう少し情緒的なSFの方が好きかもしれない。面白かった順に並べる…

書評: 伊藤計劃トリビュート

今日の記事では、伊藤計劃氏が追及していたテーマでもある「テクノロジーが人間をどう変えていくか」という問いに対する8作品を集めた「伊藤計劃氏トリビュート」を紹介。アンソロジーでありながら700ページ以上もあり、かなり読み応えのある一冊だった。伊…

書評: 深い河

宇多田ヒカルが「Deep River」という曲を作るきっかけになった本、というのに惹かれて高校生の時に読んで以来、愛読書の一つになっている遠藤周作の「深い河」。散々人に薦めてきたが、何故好きなのかを聞かれると答えられないため、改めて感想を書いてみる…

書評: ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

今回取り上げる本は、かつて三井住友銀行頭取および郵政公社社長を務めた西川善文氏による「ザ・ラストバンカー」である。ユーグレナやLINE、メタップスなどのベンチャー企業CEOが推薦する本を集めた「新世代CEOの本棚」という本の中で、mixiの元社長である…

「科学技術が社会に与える影響」を考えるための材料ー遺伝子工学編

毎日新聞の「明治安田生命 遺伝情報、保険に活用検討 病気リスクで料金に差も」を読んで、とうとうこういう時代が来たか、と思った。23andMeやDeNAのMYCODEなどの遺伝子検査サービスが台頭する中、保険会社が遺伝情報をビジネスに取り入れようとするのは極め…

世の中を理解するための"コンテキスト"の身に付け方(試行錯誤中)

今回の記事では、世の中で起きている事を理解するための"コンテキスト"-教養的なものの身に付け方を試行錯誤するプロセスについて書いてみる。 海外オフィスに移ってから、ようやく政治経済周りのニュースを見る/読むようになった。社会人、特に私がいる業…