What drives me.

between anthropology, primatology and management of technology

Book

中国語学習向け参考書をレビューしてみた

今年の1月から中国語学習を初めたのだが、英語と比較すると中国語は参考書の情報が少ない。そのため、今回の記事では参考書選びで何回か失敗した経験に加え、中国人の友人や中国語学習者の意見を元に、中国語学習のための参考書をレビューしてみる。 余談だ…

2017年に読んで面白かった本

気がついたら2017年も終わりに近づいている。今年読んだ本は計37冊(10日に1冊のペース)。2016年は80冊近く読んでいたので、だいぶ読書量が減ってしまった1年だった。本記事では今年読んだ本の中でもとりわけ面白かった本を幾つか紹介する。 【小説】 小説…

書評: How Google Works & Whiplash: How to Survive Our Faster Future(邦題:9プリンシプルズ)

久々に本を読んだので紹介。Googleの元CEOであるエリック・シュミットの「How Google Works」と、MITメディアラボ所長の伊藤穰一の「9プリンシプルズ」。前者は「魅力的なプロダクトを世に生み出すための組織・文化作り」、後者は「目まぐるしい変化に立ち向…

書評: バリュエーションの教科書+ファイナンス周りの本(2017年8月8日追記)

仕事でDue Deligence(企業の価値・リスク評価)に何回か携わった割に、バリュエーション周りをきちんと勉強したことが無い事に気が付いたので、森生明氏の「バリュエーションの教科書」を読んでみた。これまで読んだ企業価値評価周りの本では一番楽しく読め…

書評: 技術経営論

「技術経営(Management of Technology)」を大学院での専門にしたいと思い続けていた一方、自分の中で「技術経営」という言葉の定義が非常に曖昧だったので、丹羽清の「技術経営論」を読みながら自分が何をしたいのかを再考する事にした。本書における技術…

書評: インドで考えたこと & 人間が激務で失うもの

昔から「(読むだけの)読書」を趣味としてきたが、娯楽/暇潰しとして小説・科学書を読むか、実利を求めて経営書を読むかのどちらかで、新書を読む機会はあまり多くなかった事に気が付いた。高校生ぶりに腰を据えて本を読む時間ができたため、言われなくても…

書評: 暗幕のゲルニカ

今日の記事は原田マハ「暗幕のゲルニカ」を紹介。Kindle版がなかなか出ないため、家族に頼んで空輸してもらった一冊。著者の原田氏は、かつて美術館に勤めており、2002年以降はフリーのキュレーターとしても活躍している事から、小説内に出てくる美術関連の…

書評: しあわせの理由

「ゼンデギ」に次ぐ2冊目のイーガン作品として「しあわせの理由」を読んだ。SF界では(特に表題作の)評判が高いが、個人的にはケン・リュウの「紙の動物園」や山本弘の「アイの物語」など、もう少し情緒的なSFの方が好きかもしれない。面白かった順に並べる…

書評: 伊藤計劃トリビュート

今日の記事では、伊藤計劃氏が追及していたテーマでもある「テクノロジーが人間をどう変えていくか」という問いに対する8作品を集めた「伊藤計劃氏トリビュート」を紹介。アンソロジーでありながら700ページ以上もあり、かなり読み応えのある一冊だった。伊…

書評: 深い河

宇多田ヒカルが「Deep River」という曲を作るきっかけになった本、というのに惹かれて高校生の時に読んで以来、愛読書の一つになっている遠藤周作の「深い河」。散々人に薦めてきたが、何故好きなのかを聞かれると答えられないため、改めて感想を書いてみる…

書評: ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

今回取り上げる本は、かつて三井住友銀行頭取および郵政公社社長を務めた西川善文氏による「ザ・ラストバンカー」である。ユーグレナやLINE、メタップスなどのベンチャー企業CEOが推薦する本を集めた「新世代CEOの本棚」という本の中で、mixiの元社長である…

「科学技術が社会に与える影響」を考えるための材料ー遺伝子工学編

毎日新聞の「明治安田生命 遺伝情報、保険に活用検討 病気リスクで料金に差も」を読んで、とうとうこういう時代が来たか、と思った。23andMeやDeNAのMYCODEなどの遺伝子検査サービスが台頭する中、保険会社が遺伝情報をビジネスに取り入れようとするのは極め…

世の中を理解するための"コンテキスト"の身に付け方(試行錯誤中)

今回の記事では、世の中で起きている事を理解するための"コンテキスト"-教養的なものの身に付け方を試行錯誤するプロセスについて書いてみる。 海外オフィスに移ってから、ようやく政治経済周りのニュースを見る/読むようになった。社会人、特に私がいる業…

書評: 日本の思想

Amazonのレビューを眺めてから本を購入する、という悪癖があるのだけど、とある本のレビューの中に、日本思想論を語るに外せない本として、丸山真男の「日本の思想」が挙げられていたので読んでみた。全体的に難解だったが、日本人として読んで置いた方が良…

書評: 人と「機械」をつなぐデザイン

佐倉統編の「人と「機械」をつなぐデザイン」を読了。デザイナーや研究者にインタビューしながら、人間−機械及び環境–技術の関係性について考えていく本。まとめ方に悩むが、印象に残った章を中心に取り上げる。(超余談だが、昔佐倉先生に猿の真似をしても…

書評: 時間のデザイン―16のキーワードで読み解く時間と空間の可視化

「瞬間」「遷移」「シークエンス」など、時間にまつわるキーワードをもとに、写真家やデザイナー、建築家についてインタビューしたものをまとめた本。メモをあまり取れなかったのだけど、印象に残っている部分をいくつか。 未来は過去からの逆算 「今から20…

書評: COURRiER Japon Oct.

パートナーがそれはそれは恐ろしく几帳面な人で、読んだ本のまとめやら感想を逐一つけると言うので私も見習う事にする(3日坊主になりませんように)。シルバーウィーク初日にだらっと読んだのは「COURRiER Japn 10月号」。「いま転職するなら海外か、国内か…

意識と人工知能の狭間

ここ最近立て続けに人工知能モノの本・映画(ZendegiとEx machina)を手に取ったせいか、人間の意識と人工知能の違いについてぼんやりと考えている。前者は余命を宣告された主人公が、残された息子のために”Zendegi”というゲームの中に自分の仮想人格を作ろ…

書評: アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜイスラエル企業を欲しがるのか?

原題の”Start-Up Nation”が語る通り、イスラエル発ベンチャーの強みの源泉を、イスラエルの文化・歴史・制度(主に兵役)を踏まえながら綴った本。後半はやや冗長で読みづらいが、Start-Upの話だけでなくイスラエルという国自体を理解する上でも凄く良い本だ…

生き物らしさ

人間とは何か、という問からは少し外れてしまうけれど、一つ小さい頃に熱中していたものを思い出したのでつらつらと書いてみようと思う。 今でもよくCMなんかで見かけるけれど、「毎月雑誌を買うと部品がついてきて、最終的にはロボットができる」という雑誌…