What drives me.

between anthropology, primatology and management of technology

書評: COURRiER Japon Oct.

パートナーがそれはそれは恐ろしく几帳面な人で、読んだ本のまとめやら感想を逐一つけると言うので私も見習う事にする(3日坊主になりませんように)。シルバーウィーク初日にだらっと読んだのは「COURRiER Japn 10月号」。「いま転職するなら海外か、国内か」という見出しに惹かれて思わず買ってしまった。肝心の転職話以外で拾ったテーマをいくつか紹介。

人工知能は、Aという行動は良い、Bという行動は悪いといった過去の事実に基づいて最善の解を出すことには優れています。一方で、人間は過去の価値基準を柔軟に変え、まったく新しいものを創りだすことができる。

先日考えていた人工知能と人間の意識の違いというのは、これに限りなく近いのかもしれない。ようやく腑に落ちた感じ。

  • 世界を変える「革新的企業」Best 50

特に気になったのは「InVenture」「El MindA」「L’Oreal」。InVentureは途上国のローン借り入れをサポートするアプリ。ローンの完済可能性をスマホの使用履歴から判定する。途上国と言っても、東南アジア南アフリカなどある程度発展している新興国をターゲットとしている。ケニアの「M-PESA」でも思うけれど、日欧米のような先進国よりも、技術がインフラを補完する必要がある国の方が、イノベーションが起きやすいのかもしれない(問うているテーマは違うけれど、「ヨハネスブルグの天使たち」の中で描かれている世界観を見ていると同じことを思う)。El MindAは、脳内の神経細胞の動きを可視化することで、脳疾患を予測する技術を開発したイスラエルベンチャー。既存技術と何が違うのか後で確認したく(職業病だ)。最後は言わずと知れた外資系化粧品メーカー「L’Oreal」。ウェブ上で化粧品を試すことができるというアプリを開発したとか。個人的には「その日着ている服に合わせた化粧を提案するアプリ」ができないかと常々思っているので、こうした感性工学的分野はどんどん発展してほしい(女性誌の写真とかから誰か作ってくれないだろうか…)。

  • スティーブ・モリヤマ「異文化でのビジネスを成功させる決め手は「語学力」にあらず」

自立と自律がしっかりしていて、個が確立されている人は、どこに行ってもやっていける。

異文化の中で生活していると「自分は何者なのか?」と自問自答し、自分の価値観に基づいて、自己責任で選択せざるを得ない局面に必ずぶち当たるからだ。それは、ときに孤独な作業であり、集団の空気がなんとなく自分の価値観を代弁してくれる世界とは対局にある。

一年半も同じ組織にいて「I think」なコミュニケーションを少し怠っている最近の自分への戒めを込めて。