2017年に読んで面白かった本
気がついたら2017年も終わりに近づいている。今年読んだ本は計37冊(10日に1冊のペース)。2016年は80冊近く読んでいたので、だいぶ読書量が減ってしまった1年だった。本記事では今年読んだ本の中でもとりわけ面白かった本を幾つか紹介する。
【小説】
小説の中で一番印象に残っているのは、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」。ピアノコンクールを通じて少年・少女が成長する姿が描かれている。恩田陸がよく書くタイプの典型的なストーリーではあるが、個々のキャラクターが魅力的なのと、私自身がピアノをやっていた事もあり、各シーンのイメージが湧きやすい物語だった。かなり売れているようなので、来年あたり映画/アニメ化されてもおかしくないと思う。
二番目は森博嗣のWシリーズ。「ウォーカロン」と呼ばれる自律型ヒューマノイドを中心とした物語。こちらも個々のキャラ(特に主人公)が特徴立っているのと、ストーリー全体を通じて「人間の定義(人間とウォーカロンの違い)」について問うている点で、読み応えのある小説となっている。
ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/10/19
- メディア: 文庫
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最後はケン・リュウの短編集「母の記憶に」。 個人的には前作の「紙の動物園」の方が好きだったが、「母の記憶に」も前作同様しっとりとした(?)SFに仕上がっている印象だった。
【ビジネス書】
コンサルタントの書く本は基本的に当たり外れが大きいと認識しているが、IGPIの木村尚敬氏の「ダークサイド・スキル」は珍しく印象に残る本だった。若手よりもミドル・マネージャー向けの本だと思うが、何度も読み返す価値のある本だと思う。
ビジネス書に含めて良いかどうかはグレーだが、下記の「発信型英語 類語使い分けマップ」もなかなか面白かった。例えば「(相場等が)上昇する」という単語一つにとっても、上がり方によって複数の単語が存在しており、どういう時にどう使い分けるか、というのが丁寧に説明されている。読み物というよりは辞書的に使うのが正しいのかもしれない。
【ノンフィクション】
ノンフィクションの中で一番印象に残ったのは、名著と名高い「コンテナ物語」。現在当たり前に使われているコンテナが、どのような手順を踏んで普及していったかが書かれている。 特に、元々荷物を運んでいた荷役を置き換えていく部分と、コンテナの規格化の部分は、コンテナに限らず、新しい技術が普及する際に直面する普遍的な壁を描いているように思う。
後輩におすすめされて読んだ本。一見自己啓発本のようなタイトルだが、内容はどちらかというと心理学の分野に近い。自分が意思決定を行うプロセス・シチュエーションに照らし合わせながら読むと、「あ、これは自分もハマりがちだな」というのがわかって面白い。
以上の7冊が今年読んで面白かった本だった。来年はもう少しノンフィクション(特に歴史系)の分野を開拓出来たらなと思う。積読本も消化できますように。